特別な存在
美由紀は面会中、私のことを他の記者と違う特別な存在だと認識しているかのような話を繰り返した。たとえば、次のように。
「私の友人たちは、私に関する報道が嘘ばかりなので、片岡さんに本当のことを話したいと言っています」
「片岡さんが鳥取に取材に行く際は、友人の家に泊まってもらうつもりです」
「母も片岡さんに会いたいそうです。私も片岡さんには子供たちに会って欲しいです」
結局、これらの話は一つも実現しなかった。要するに嘘なのだ。とくに友人については、連絡先を聞いても、はぐらかして教えようとせず、実在するかも疑わしかった。