そして第3の転機は、多分、竜童さんの俳優デビューともなる『曽根崎心中』出演。
――映画には、最初『港のヨーコ~』に本人役で出演してちょっと映ったんですけど、次にきっかけを作ってくれたのは菅原文太さんと深作欣二監督です。
阿木が経営していた赤坂のバーにお二人がやって来て、「台詞みたいな歌、歌ってるだろ。今度、菅原文太と組んで銀行強盗する映画に出る気はあるか?」。「はい、出ます」って私は即答。
でもその話は流れて、その後、『トラック野郎 御意見無用』にワンシーンだけ出演ってことに。私たちはガソリンスタンドの店員で、文太さん演じる桃次郎に、メンバーは「いらっしゃいませ」、私は「マブいスケ乗せてますね」って言うだけ。それが初出演でした。
その次が、『曽根崎心中』です。私が前に梶芽衣子さんに何曲か提供したご縁で、梶さんが相手役として私を増村保造監督に推薦してくれたのだと思います。
当時、私はいつもサングラスをかけてステージやテレビに出てましたから、サングラスを外し、醤油屋の手代・徳兵衛役で古い大阪弁しゃべって、と言われてもね。
メイクだって、杉良太郎さんみたいにしてくれるのかと思ったら、監督の指示ですっぴん。本番になると、「用意! 宇崎さん、強く、喘いで、激しく、死ぬ気、スタート!」って、それしかおっしゃらない。