ダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成した頃。右端が宇崎さん(写真提供:宇崎さん)

でも、私は何か新しいことをやらせてもらったな、と思いました。それでもあとで観直すと、これまで好きで観てきた映画の俳優さんたちにはやっぱり敵わないと思った。これを何とか取り返すために、いろいろな演出で『曽根崎心中』のライブを作りましたよ。

渋谷のジァン・ジァンでは、文楽の人形の後ろに立ってダウン・タウン・ブギウギ・バンドが演奏する、というライブ(『曽根崎心中Part II』のちに『ROCK曽根崎心中』)や、フラメンコとのコラボも(『Ay曽根崎心中』)。

この作品は文化庁芸術祭の舞踊部門優秀賞をいただきました。長い間、徳兵衛がついて回りましたね。

 

続いてテレビドラマ『阿修羅のごとく』では、恋愛に慎重な三女役のいしだあゆみの無粋な眼鏡を、竜童さんの私立探偵がそっと優しく外す場面が印象的だった。

――そうですか。これも脚本の向田邦子さんと演出の和田勉さんがジァン・ジァンに私たちのライブを観にいらして決まりました。向田さんが、「佐分利信さんを始めとして芝居のうまい人ばかりの中であなたは素人だから、台詞がつまってもいいように吃音の役にしましょう」って。

撮影が始まると緒形拳さんに「お前よ~」と言われました。「お前みたいに役者じゃない奴が最近のしてきてんだよな、俺たちは芝居取られていい迷惑なんだよな」。

そのあと私の頭を叩くシーンがあり本気で殴ってこられましたが、いろいろ芝居もつけていただきました。(笑)