玉袋 これまでずっと、カミさんにいっていたんです。
毒蝮 なんていってたんだい?
玉袋 「俺が最後までおまえの面倒を見るから心配するなよ」って。でも、その根底には、「だから多少の遊びには目をつむってくれよ」という傲慢な思いがあったのかもしれません……。
それこそ、「芸のためなら女房も泣かす」って、都はるみと岡千秋の『浪花恋しぐれ』(1983年)の世界に酔いしれて粋がっていただけなんだって、いまとなっては思いますね。
毒蝮 ますます身勝手な野郎だな。勝手にひとりで酔いしれやがって。
玉袋 これまでずっと、「きちんと家庭を守れる人間じゃなきゃ、芸人として人を笑わせることなんかできないよ」って思っていたんです。でも、俺はなにひとつわかっていなかった。
いまはいろいろ辛いけど、だけど俺はやっぱりカミさんと結婚してよかったと思っているし、血の繋がりはなくても立派な息子に育ってよかったって、心から思っていますよ。……いけね、ちょっとしんみりしちゃいましたね(苦笑)。
※本稿は、『愛し、愛され。』(毒蝮三太夫、玉袋筋太郎:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『愛し、愛され。』(毒蝮三太夫、玉袋筋太郎:著/KADOKAWA)
昭和101年記念対談! 卒寿・還暦目前のふたりが語り尽くした人生のこと。
生きづらさを感じる現代に、戦前生まれで卒寿を目前にした「生けるレジェンド」毒蝮三太夫と、還暦を目前にした「時代遅れな昭和の粋芸人」玉袋筋太郎が、世代を超えて最強のタッグを組んだ。






