玉袋 それでも構わずにつきあっていたのですが、当然、旦那さんにバレてしまって……。俺は別れを覚悟しつつも、彼女が「離婚する」って言い出したから、俺も覚悟を決めて旦那さんの前で土下座をして、当時1歳になったばかりの男の子の面倒も見ることに決めました。
その旦那さんは、怒鳴ったり取り乱したりすることなく、「息子のことだけは、しっかりと面倒を頼む」っていっていましたよね。その瞬間の俺は、完全に『そして父になる』(2013年作品)の福山雅治でした。
毒蝮 おまえが福山雅治のわけがあるかい! 福笑いみたいな面しやがって。でも、そのときにおまえも男としての覚悟を決めたってわけだ。そんなはじまりだったのに、結局は愛想をつかして出ていってしまったのか。ずっと音信不通なのか?
玉袋 いえ。彼女は俺の個人事務所の社長でもあるので、ビジネスパートナーとしての関係は続いています。
LINEもブロックされているので、こちらとしては、家を出ていまはどこに住んでいるのかはわからないのですが、向こうは社長だから俺のスケジュールをすべて把握しているので、俺が家にいないタイミングを見計らって、掃除や洗濯をしてくれたり、小遣いを置いておいてもらったりしています。
毒蝮 できたカミさんだな。それなら、まぁさみしかねぇか。
玉袋 いや、それがさみしくて仕方ないんですよ。フェデリコ・フェリーニの『道』(1954年作品)じゃないですが、ジェルソミーナの死を知って、浜辺で嗚咽しているダメ男のザンパノこそ、まさに俺の姿そのもの。
ちょうどコロナ禍で世界中が揺れていたときのことで、緊急事態宣言が発出されて仕事もなくなり、ずっと家に引きこもっていた頃、俺は誰もいなくなった部屋でただ打ちひしがれていたんです。
毒蝮 なんだ、なにも考えずに町中華を食ってるだけかと思いきや、おまえも大変なんだなぁ。自業自得とはいえ、ちょっとは同情するよ。
玉袋 蝮師匠はずっと夫婦円満ですよね。なにか秘訣はあるんですか?
