「神さま」は自分の中のもう一人の自分

――『神さまの言うとおり』というタイトルはどのように考えられましたか?

昭和を生きた方ならきっと、小さな頃に「天の神さまの言うとおり」とつぶやいて、どちらを選ぶのか決めた経験があるのでは。この場合の「神さま」というのは自分の中にいる「神さま」のこと。いつも自分の味方であり、最も信頼できる、自分の中のもう一人の自分ともいえる存在です。だから妙に抗ったりしないで神さまの言うとおりにしていたら、何があっても「なるようになる」というのが持論です。

人生は思い通りにはならないけれど、それはしょうがない。切ないけれどダメなものはダメだと割り切らなくては。でも、なんとかならなくても、なるようになるならいいじゃないかと心に折り合いをつける術こそが、一所懸命に生きていることに対する神さまからの一番のご褒美だと僕は思うのです。

さだまさしさん
「神さまの言うとおりにしていたら、何があっても『なるようになる』というのが持論です」

「自分の人生はこれでいい」と肯定できたら、それほど幸せなことってないなというようなことが今回のアルバムのテーマになりました。どうやら神さまは、同じ時期にあるテーマをパーンと上から投げるみたいなんです。それを僕らのような、ものをつくる人間が受け取って作品にするわけですが、時折、あっ、この人、僕と同じタイミングで同じテーマを受け取ったんだなと感じることも。

僕はこう表現したけど、この人はこんなふうに表現したんだ…と、とても面白い。自分の中でもテーマを料理していく過程で世界観が変わっていきます。出来上がった曲を聴いて、ここへ着地するとは思いもしなかったということもあって、僕はそれが楽しくて歌を作り続けているのかもしれません。