毒蝮 俺はさ、この年まで仕事をしてきたから、いまさら「もっと人気者になりたい」とか「大きな仕事をしたい」とはまったく思っていないんだよ。いってみれば、「点」としてこの仕事を続けていくつもりでいる。いわば、それは俺なりの「終活」だよ。
だけど、玉は違うよな? まだ50代だろ? これから還暦を迎え、60代、70代と円熟味のある芸人になっていく必要がある年齢だ。まだまだ、「点」になるには早い。いまはまだ、「点と点」を積み重ねていって、少しずつ「面」として、仕事の幅を広げていかなきゃいけない。
おまえのやっている『町中華で飲ろうぜ』も「点」のひとつだし、ラジオだって「点」だし、居酒屋で酒を呑んでるだけのYouTubeだってそうだろ?
玉袋 呑んでるだけっていわれれば……確かにそうですね(笑)。
毒蝮 そうしたものを積み重ねていって、「面」を目指さなければいけない。そこが俺とおまえの違うところだよ。
玉袋 俺、これからどうすればいいですかね?
毒蝮 知らないよ、そんなこと! おまえの足りない頭で必死に考えろよ。
玉袋 (笑)。真面目な話、他人を貶めて笑わせるようなやり方はこの時代ではもう通用しないでしょうね。人権意識がこれだけ高まったなかで、どうやって笑いをつくっていくのか? すべての芸人が試されているし、俺もこれから挑戦していくべき課題だと思っています。
※本稿は、『愛し、愛され。』(毒蝮三太夫、玉袋筋太郎:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『愛し、愛され。』(毒蝮三太夫、玉袋筋太郎:著/KADOKAWA)
昭和101年記念対談! 卒寿・還暦目前のふたりが語り尽くした人生のこと。
生きづらさを感じる現代に、戦前生まれで卒寿を目前にした「生けるレジェンド」毒蝮三太夫と、還暦を目前にした「時代遅れな昭和の粋芸人」玉袋筋太郎が、世代を超えて最強のタッグを組んだ。






