戦前生まれで卒寿を目前にした「生けるレジェンド」毒蝮三太夫と、還暦を目前にした「時代遅れな昭和の粋芸人」玉袋筋太郎が、令和の社会の生きづらさ、お笑い、幸福論、老いなど、軽妙な掛け合いで語り合う。毒蝮の「毒」と、玉袋の「粋」が融合した対談本『愛し、愛され。』より、一部を抜粋して紹介します。
大学の講義で感じた「小さな違和感」
毒蝮 玉のいう「人に優しく」というのは、いまの日本社会全体が忘れかけている大事なポイントなのかもしれないぞ。いまの日本は国全体に潤滑油が足りていないから、どこもかしこもギスギス、ギスギスしていると思わないか?
玉袋 どこかの店に入るとき、後ろの人が入りやすいようにと、前の人がドアを開けて待っていてくれるだけでなんだか幸せな気持ちになれますよね。そんな小さなことでも人は幸せを感じられるんだから、そういう気遣いはなくしたくないし、忘れたくないですよね。
毒蝮 俺はさ、聖徳大学で客員教授も務めているんだよ。1999年(平成11年)から、もう四半世紀も教壇に立っているんだ。
玉袋 大学ではなにを教えているんですか?
毒蝮 心理・福祉学部の社会福祉学科というところで、これから介護や福祉の現場で働こうとしている学生たちに、自分がこれまで見てきたこと、経験してきたことを話しているんだけど、俺としてもいろいろな発見があって楽しくやっている。で、ある日の授業でこんな話をしたんだ。
玉袋 どんな話です?