玉袋 週刊誌もワイドショーも、みんなそうですよ。単なる興味本位で人の弱みを握って、徹底的にバッシングですから。その話題に飽きた頃には、また別のターゲットを見つけてひたすら叩く。世の中のすべてが常に生贄を探しているような状況です。本当にストレスが溜まっているんでしょうね、日本全体に。
毒蝮 むかしなんか、国会議員に妾のひとりやふたりいるのはあたりまえのことだったもんな。もちろん、それがいいとはいわないよ。肯定はしない。でも、当時の政治家たちは大物になればなるほど本妻を守りつつ、妾宅にも十分な手当てをしながらうまくやっていたもんだよ。
政治ってのは、結果がすべてだよ。怒られそうだけどさ、結果的にそれで日本がよくなるのなら、多少のことに目をつぶってもいいんじゃないか? 当時の日本人は、そう考える人が多かったんだな。
もちろん、いまの時代に合わない考え方だとは承知している。それでも、もう少し鷹揚さを持っていてもいいんじゃないか。ついつい、そんなことを愚痴りたくなるんだよ。
玉袋 蝮師匠のいうように、「不倫」に対する風当たりは、以前とは比べ物にならないほど厳しくなっているし、昭和の政治家たちのような振る舞いは現代では通用しない考えなのは間違いないでしょう。
でも、「まったくあいつはしょうがねぇなぁ」「あいつはバカだな」っていうくらいの緩い目で見てもいいんじゃねぇかって気はしますね。ましてや、芸人なんかは、そこまで目の敵にしなくてもいいんですよ。ついつい、そんなことを考えちまいますよ、俺は。
毒蝮 おまえ、なんかやましいところがあるんだろ?
玉袋 いえいえ、決してそんなことはないですけど……(笑)、蝮師匠のいうように社会全体に「遊び」がなくなっているからこそ、もっとゆったりとした気持ちがほしいなって思いますよ。決してやましいわけではないですから!
毒蝮 まぁ、今日のところはそういうことにしといてやるよ。
※本稿は、『愛し、愛され。』(毒蝮三太夫、玉袋筋太郎:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『愛し、愛され。』(毒蝮三太夫、玉袋筋太郎:著/KADOKAWA)
昭和101年記念対談! 卒寿・還暦目前のふたりが語り尽くした人生のこと。
生きづらさを感じる現代に、戦前生まれで卒寿を目前にした「生けるレジェンド」毒蝮三太夫と、還暦を目前にした「時代遅れな昭和の粋芸人」玉袋筋太郎が、世代を超えて最強のタッグを組んだ。






