失敗をおそれない

いくら賢い人でも、乱読すれば、失敗は避けられない。しかし、読めないで投げ出した本は、完読した本とはちがったことを教えてくれていることが多い。

失敗をおそれない――それが乱読に必要な覚悟である。

これまで乱読がきらわれてきたのも、ひとつには乱読では失敗が多いからであろう。きわめつけの名著を読むのに比べれば、失敗ははるかに多いであろう。失敗はいけない、失敗するな、という常識からすれば、乱読は賢明ではないとなる。

人間は失敗によって多くのものを学ぶ。ときとして成功より大きなものが得られることもある。そう考えると、乱読が、指定参考書などより実り多きものであることがわかる。

※本稿は、『乱読・乱談のセレンディピティ』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

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