由紀さおりさんに勧められて…

婦人科の受診に痛みや不安を感じ、足が遠のいてしまう人も少なくありません。一方で、体調の異変に気づいてすぐに受診したことで、がんの早期発見につながったケースもあります。

紅白歌合戦への出場経験もある演歌歌手の市川由紀乃さん(50)が体に異変を感じ始めたのは、2023年の夏でした。腰痛や生理不順といった不調が続いたものの、当初は加齢によるものだと考えていたといいます。

しかし親交のある由紀さおりさんの強い勧めで、24年6月に都内のクリニックを受診。その後、大学病院での精密検査や開腹手術を受けた結果、ステージ1の卵巣がんだと判明したのです。

「先日、テレビで闘病についてお話しした際に『その症状で検査を受けてがんが見つかったことはラッキーでしかなかった』と番組に登場されていた医師から言われました。由紀さんには病院も紹介していただいて、感謝しかありません」と市川さんは振り返ります。

女性の臓器すべてを切除する、6時間に及ぶ手術の後に始まった抗がん剤治療では、副作用による脱毛のショックを和らげるため、長かった髪をあらかじめベリーショートに。これまで歌手として声を出さない日は一日もありませんでしたが、療養中は手術した腹部が痛むため、会話も控えざるをえませんでした。

24年6月に休養を発表してからおよそ半年。6クールの抗がん剤治療を終えた市川さんは、発声練習を再開。懸命のリハビリを重ね、25年2月に活動を再開させることができたのです。

「病気を経験して、歌から離れて、生きていることがどれだけ素晴らしいのだろうかと気づかせてもらいました」と市川さん。テレビ出演やブログでの発信を通して、早期発見のために受診することの大切さを伝えています。

抗がん剤の治療中、ウィッグを着用する市川由紀乃さん