がんと診断されても、平静を保てればいいが、どうしても心が乱される。その時、心配が昂じて悲観的になりすぎる、あるいは、否定したいがために楽観的になりすぎる可能性がある。
ネットで情報を探し求めて、つい、どちらかに偏った情報、それも正しいかどうかわからない、を検索してしまわないだろうか。そうならないように、前もってきちんとした知識を身につけておくべきなのだ。
欧米では一般的になっているが、日本ではなかなか浸透しないACP(Advance CarePlanning:アドバンス・ケア・プラニング)をご存じだろうか。
日本医師会のウェブサイトによると
「将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ ケアチームが、繰り返し話し合いをおこない、本人による意思決定を支援する取り組み」
とされている。
あまりいい訳とは思えないが、日本語では「人生会議」と言われることもある。
「『人生会議』とは、もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことです」
これは厚労省のウェブサイトにある言葉だ。もちろん、がんの場合にもあてはまる。かといって、病気になる前に考えていたことを、病気になった時に変えてはいけないという訳ではない。
わたしだって、えらそうなことを書いているが、がんになったら一気に考え方が変わるかもしれない。ええ加減な奴やなぁと思われるかもしれないが、状況が変わっても一度考えたことにしがみつき続けて判断を誤るよりはええのとちゃいますやろか。
ずいぶんと昔、当時はまだあまり言われなかった頃に、死ぬことの意義について深く考え、本も出版した同級生がいた。がんになったら、病院にかからず、朽ちるように死んでいくという主張だった。
しかし、60代半ばで肺がんが見つかった。それも、脳転移付き。症状も強かったため、入院して転移巣の摘出手術を受けられた。そう、病前の主張とは真逆だった。平時と非常時は違う、これでいいのだ。