“一夜城”はなぜ伝説になったのか
一日目の最後に訪れたのは墨俣一夜城。「秀吉が一夜で築いた」として知られる、有名な出世譚の舞台で、『豊臣兄弟!』でも大変印象的に描かれていました。
本郷先生によれば、同時代史料に「本当に一晩で築いた」などと明記されているわけではないので、後世の脚色も大きいのでは、とのこと。では”一夜城はただの嘘”と片付けてしまってよいのでしょうか?
ここで先生が強調されていたのは、「なぜその物語が生まれたのか、という背景を考えるのが大事」という点でした。
現実として、美濃攻略の要地である墨俣に秀吉が関わり、極めて短期間で拠点を構築したような事実があったのでしょう。それが、人々が秀吉に立志物語を求めたからこそ、後世に“一夜で築いた”という伝説にされてロマンとして語り継がれていった。
重要なのは「一夜だったかどうか」ではないのです。
墨俣城天守より(写真:婦人公論.jp編集部)
長良川・揖斐川・木曽川が合流する地点で、尾張から美濃への進軍路を押さえる交通の要衝に建つ墨俣城。その天守から周囲を眺めると、ここが重要な地だったことがよく分かります。
宿泊は琵琶湖畔に建つ「グランドメルキュール琵琶湖リゾート&スパ」。お疲れさまでした!(写真:婦人公論.jp編集部)
現地に立つことで、“伝説”が急に実感を持って結びついてくる。その感覚こそ、歴史ツアーの醍醐味なのかもしれません。
