夫は6年前、脳内出血で突然倒れて救急搬送された。一命はとりとめたものの…(写真:stock.adobe.com)
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夫との新しい生活

1年前に特別養護老人ホームに入居した夫から、毎日2回から3回ほど電話がかかってくる。私たちは、「朝ごはんは美味しく食べた?」など、穏やかな会話を楽しむ。

夫は6年前、脳内出血で突然倒れて救急搬送された。一命はとりとめたものの、後遺症のため、病院から施設、そして自宅へと場所を移し、4年間の在宅介護がはじまった。私は必死で、無我夢中の日々だったと思う。車椅子の扱いからはじまり、着替え、オムツの交換、食事の手伝い――すべて緊張感を伴うものだった。

彼自身が一番つらかったはずだが、就寝時になると、いつも私に感謝の気持ちを伝えてくれた。「今日も僕を守ってくれてありがとう。少しずつ、できることを増やしていくから」。

高次脳機能障害もあるなか、私はリハビリの過程を見守り続けた。私が夫に宿題として課した日記も、一生懸命取り組んでくれた。最初のころは、文字が曲がったり脱字が多かったりと上手に書けず、夫もあまり気乗りしていない様子だった。

それでも私は続けてほしかったので、とにかく心をこめて褒めまくる。次第に乗り気になってきたのか、そのうち日記を書くことが夫のなかでルーティンとなり、少しずつでも綺麗に書けるようになった時は感動した。

そして1年前、私の脳腫瘍が判明し手術が決まったのを機に、在宅介護は終了。新しい形で2人の暮らしがスタートしたのだ。

住む場所は違えど、心は繋がっている。電話から聞こえてくる声を支えに、今日も明るく生きていきたい。


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