「モリシーさん、俺、アオでいいですって」
「ああそうだ。前に言われたね。ごめんごめん。久しぶりのオフだから忘れちゃったよ」
ゲーム用のアカウント名にも「アオ」を使おうと思っていたが、先に登録しているユーザーがいたので、BLUEと名乗っていた。オフ会では「アオ」と呼んでもらっていた。
「アオくん、顔色悪いんじゃない?」
「はは、そうですかね。夜通し遊んでしまったからでしょうか」
「いいねえ、熱心で。私も若いもんには……ああいや、もちろん私もやりまくったよ」
モリシーは見たところ完全に四十歳を過ぎており、会の中で一番の年長者なのだが、設定上は三十四歳ということになっている。どういう対抗意識かは分からないが、人柄は好きなので、会の誰もツッコミを入れない。
奥の四人掛けテーブル席に案内される。
テーブルには既に一人、先客がいた。
「あ、ようやく来たー」
間延びした声で答えたのは、紅一点のミクニである。紅一点というのは辞書通りの意味だが、髪も赤く染めているので、ややこしい。ジャンパースカートで、やけに胸が強調されている。毎度、目のやり場に困る服を着てくる人である。
「ごめんごめんミクニちゃん、遅くなって」
言いながら、モリシーはさりげなくミクニの隣に座った。下心丸出しである。
まだ四人目が来ていないので、必然、青峰はミクニの真向かいに座る。
