「幹事なのに遅いんだもんなあ。今日は飲み放題ってついてるの?」
「うん、ミクニちゃんなら必須かと思って」
会の中で一番の酒豪はこのミクニである。いくら飲んでも顔色一つ変わらない。それも、飲む酒の種類は問わないというタイプだ。発泡酒も高級ワインも、彼女にとっては同じアルコールである。彼女に勝負を仕掛けた男の何人が涙を呑むことになったのかは知れない。
「やったー。じゃんじゃか飲むぞ~」
「コースだけど、食べ物も足りなかったら追加していいからね」
モリシーがデレデレの声で付け足す。
とはいえ、この大衆居酒屋は拳骨サイズの唐揚げが売りの、デカ盛り中心の店だ。かなり若者向けの店。コースだけでも、お腹いっぱいだろう。
青峰は二ヶ月ほど前から、なぜか、ここの唐揚げが無性に食いたくなっていた。明らかに腹には重いが、中毒性があるのだ。だけど、同年代の人間はもう、もっといい店に行きたがって、こういう店には付き合ってくれない。
こういうところも、肩肘張らないオフ会の良さだった。みんなが行きたいと言えば、そこが会場になる。集まれれば喫茶店でもファミレスでもいいのだ。
