「あのう」

 店員が気まずそうに言う。

「飲み物の追加なしで大丈夫です。お冷やだけもらえますか」

「それ、二つで大丈夫でーす」

 ミクニとモリシーは手早く自分たちの分の金を置いていき、店を出て行った。エレベーターは一つしかない。すぐに出て行けばまたかち合うことになるだろう。

「アオさん、大丈夫でしたか?」

「え、いや……」

「最後の方、何か言いたそうにずっともごもごしてたッスよね」

 青峰は苦笑する。

 ――大丈夫か、というなら君の方じゃないか。

 そう軽口を飛ばしたかったが、出来なかった。実際には、青峰も大丈夫ではなかったからだ。