自然界からの「色の借り物」

そして、この自然界からの「色の借り物」は、信号機にもしっかり反映されています。国際的に定められている信号の色は「赤・黄・緑」。なぜこの3色なのか? 「止まれ」は赤じゃなくて青じゃダメだったのか? ピンクとか紫とか、もっとかわいげのある色でも良さそうじゃないですか。

でも、そうはならない理由があります。ここにも自然界の法則が働いています。「赤」は、光の波長が長く、空気中のチリや水滴に邪魔されにくいため、遠くまでよく届きます。だから、信号の「止まれ」は赤なのです。遠くからでも見えるから、早めに減速できる。運転をした経験がある方なら、青色よりも赤色のほうが遠くからでも見える実感があるはずです。

『自然はすごい いつもの道が美しく見える5つの視点』(著:ノダカズキ/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

反対に、紫の光は波長が短く、すぐに空気中で散乱します。だから、紫を信号機に採用しても遠くからは見えにくい。

木の実の図鑑を開くとやたら赤いものが多いことに気づきますが、それも「遠くに届く赤」だから。植物は動けないので、鳥や動物に遠くから見つけてもらう必要があります。そのために赤く色づくのです。まさに、生き延びるためのマーケティング戦略です。