自然のメッセージ

つまりどういうことかというと、深海では赤い光が存在しないため、赤色の魚はそもそも光を反射できない。その結果、周囲からは黒っぽく見えることになります。

これは、捕食者から身を守るための「偽装色」。地上で見れば派手派手ですが、深海では赤色は敵から身を隠す地味な色になります。赤い魚たちは、自然の光学ルールを巧みに逆手に取って、深海という舞台でうまく身を隠しているのです。

自然界の色彩には意味がある。目立つための色を選ぶこともあれば、見つからないための色を選ぶこともある。目的に合わせて色が設計されています。そして、人間はその色彩の知恵を見事に応用しているわけです。

世界を「色の意味」で眺めてみると、見えてくるものが変わります。スズメバチの黄色と黒は、ただの模様じゃない。深海魚の赤は、ただ派手なだけじゃない。

その一つひとつが、自然と生き物たちの生存戦略の結果であり、私たちの生活にも染み込んでいる「自然のメッセージ」なのです。

※本稿は、『自然はすごい いつもの道が美しく見える5つの視点』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

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自然はすごい いつもの道が美しく見える5つの視点』(著:ノダカズキ/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

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