どんな花でも際立つ

ある春、サクラが葉桜になっていた日のこと。なにか気に入ったのか、満開のハナズオウの樹下にクマが立った。黒一色のクマの前では、どんな花でも際立つ(下写真)。

花見を楽しむ(写真提供:米田一彦)

秋田県の深山では早春に、まずタムシバの白い花が咲き、それをクマが食う。

広島県のタムシバは高木になるが、秋田では残雪に這うように葉より先に花が咲く。そのためクマが集まる。

岩手県と秋田県にまたがる高原台地の八幡平は地熱が高く、深い残雪期でも雪が局部的に溶けている箇所がある。そこではタムシバは一足先に花を咲かせ、チシマザサの芽(タケノコ)が芽吹いて、いっそうクマが集まる。採る人も集まる。だから悲惨な事故が多発する。