花見を楽しむ
オオヤマザクラの開花も早いほうだ。クマはサクラの花芽を食う。残雪期の山々を歩き回ったが、こればかりは撮影できなかった。
せめて庭に来るクマが花見をしているところを見たい。サクラの木に登ったクマを、どでかいフィルムカメラでドカンと写した画像はあまりに唐突で興ざめしたが、クマはいたって得意顔だった。
いろいろポーズを取ってくれたが、木の上で寝てしまった。見かけはクマだが、どうもクマとしての態度が違う。このように広島では、集落周辺を徘徊するクマのことを住民は「ノラグマ」と呼んでいた。
1990年代、西中国で行なわれていた保護策のなかで、このようなクマも各町村で少数ながら残るようになった。
※本稿は、『家に帰ったらクマがいた』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
『家に帰ったらクマがいた』(著:米田一彦/PHP研究所)
「最大のクマ対策は、クマのことを知ることである」
クマに9回襲われ生還した猛者が綴る、数奇な科学ノンフィクション。




