結局「幸せって、お金じゃない」

50年前のアル・パチーノなら、絶対にトニー・キリシスの役です。『タクシー・ドライバー』『狼たちの午後』『セルピコ』『スカーフェイス』そして『ゴッドファーザー』。いつも社会の下層に生きる人々の苦しみ、痛み、怒りと小さな幸せを見事に代弁してくれた。

『デッドマンズ・ワイヤー』場面写真 アル・パチーノ演じる不動産ローン会社社長のM・L・ホール
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そんな彼が、本作では「実にいやらしい金持ち」の姿を演じてくれ、「こんな金持ちはやられちゃえばいい」という気分にさせてくれる。ネタバレになっちゃうからこれ以上言いませんが、この映画の最後は、私たちにまず爽快感をくれ、そしてその後の彼らの人生について深く考えさせられます。

さかもとさんの『デッドマンズ・ワイヤー』漫画
イラスト提供:さかもと未明さん

結局「幸せって、お金じゃない」ことは確か。人と比べて、社会に認められるために躍起になるより、愛する人を見つけて、ささやかな思い出を共有することが大切なんじゃないかって。誰かを陥れたりせず、正直に生きられたらそれでいいんじゃないかって。

モノ、土地、お金なんかに縛られるより、もっともっと大切なものを探して、私たちは21世紀を生きるべきなんだと思います。勿論ただいい人なだけじゃやられちゃうから、戦う気概も大切だけど。こんな狭い地球の覇権や資源を取りっこして戦争するんじゃなく、「アメリカン・ドリーム」なんていう、金持ちに利用されるだけの「成功」に縛られるのはもうおしまい。私はそんな気持ちになりました。ああ、田舎町の森の中でも、ビル・スカルスガルドみたいな無骨なハンサムと愛を育んで暮らせたらロマンじゃないですか?いや、若い時にはそんな風に考えられず、ハリウッドに成功を求めて家出しちゃいそうですが(涙)。

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『デッドマンズ・ワイヤー』
7月17日(金)日本公開

監督:ガス・ヴァン・サント 脚本:オースティン・コロドニー 音楽:ダニー・エルフマン
出演:ビル・スカルスガルド、デイカー・モンゴメリー、ケイリー・エルウィス、マイハラ、コールマン・ドミンゴ、アル・パチーノ
2026 年/アメリカ映画/カラー/ビスタ/105 分
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/deadmanswire/ 公式X:@KADOKAWA_pic
配給:KADOKAWA © 2025 Starlight Digital Ventures, LLC. All Rights Reserved.