中小企業ほどガラが悪い

とはいえ、警備員を人間扱いしない監督もいる。警備員は工事現場などで交通誘導をするのが仕事。ところが監督によってはトラックが止まっていた場所が少しでも汚れていたら、

「そこを掃除しとけ!」

と命じることがある。内藤さんたちはホースで水を撒いて路上の泥などを洗い流すが、そのやり方が気に食わないとして、

「やり方が違う。おまえら、こんなこともできないのか!」

と怒鳴り散らす監督がいるのだ。多くは40代50代のたたき上げで、本当に警備員を「おまえ」と呼ぶそうだ。

「大手ゼネコンの監督は社内教育で警備員に掃除をさせるのがルール違反であることを知っているのでそんな無理をさせないし、暴言も吐かない。問題は建売住宅や戸数30以下の小規模マンションを手掛ける中小企業の建設会社。こうした会社では社員教育が徹底されていないため、監督たちが法律を知らず、パワハラの違法性も知らない。だから言いたい放題のやりたい放題に暴走してしまう。われわれは警備会社に報告するけど、次の仕事をもらうために機嫌を損ねてはいけないと、会社の担当者は監督に文句を言わない。結果としてわれわれが泣き寝入りすることになる」

中小企業ほどガラが悪いわけだ。