まるで嫌がらせ
こうした横暴な監督の多くは一級建築士の資格を持っている。一級建築士というとインテリのイメージが強いが、実は傍若無人な荒くれ男もいるわけだ。
作業員からどやされることもあるという。たとえば電柱と電柱を結ぶ電線の工事。人を乗せたアームを高い位置まで伸ばすバケット車(高所作業車)の中で電気工事士などが作業する。その際、切断した電線の先が地上に垂れることがある。
電源を切っているので感電はしないが、高齢者がつまずいて転ぶおそれがあるため内藤さんが道の端によけようとする。すると上から電気工事士が「そんなことやる暇があったら、クルマの誘導をやれよ!」と怒鳴りつける。ところが内藤さんが交通誘導に専念していると、今度は「電線の始末をしろ!」と怒鳴る。まるで嫌がらせだ。
「彼らはわれわれ警備員を見下している。バケットの中から文字通り“上から目線”で怒鳴りつける。ムカッとくるよ」
通行人にもうるさいのがいる。「工事中なので迂回してください」と頼むと「何でおまえの指示に従わなきゃならないんだ。そもそも工事の許可を取ってるのか?」と言いがかりをつけてくる。そんなときは警察署からハンコをもらった書類を相手に見せ、頭を下げる。