警備員も種々雑多
私が「世の中、いろんな人間がいますね」と言うと、内藤さんは「警備員も種々雑多。体が動かない人も少なくない」という。70代の警備員の中には足腰が弱って、まともに歩けない人がけっこういる。転倒して事故でも起こすのではないかと心配してしまう。ガンの治療を受けながら働いている人もいるそうだ。
「高学歴の人もいるよ」
と内藤さん。
彼が勤める会社の警備員には東大卒が3人いる。学歴詐称ではないかと聞くと、内藤さんは「たぶん本当だよ」と断言した。内藤さん自身、一流大学を出ているのでウソは見破れるという。
「東大卒の3人は70代。一人は理系で、有名な科学誌の元編集長と聞いた。立派な経歴だけど、なぜ警備員になったかと聞くと3人とも口が重くなる。このほか東大卒ではないけど、航空自衛隊でジェット戦闘機のパイロットをしていた人や有名な潜水調査船の元乗組員もいる」
世の中はドラマチックだ。
※本稿は、『年金だけじゃ生活できない!「定年バイト」奮戦記』(秀英書房)の一部を再編集したものです。
『年金だけじゃ生活できない!「定年バイト」奮戦記』(著:林山翔平/秀英書房)
現在65歳の著者が数々のバイトの面接に潜入取材を敢行!
60代以上の年金世代に捧ぐ、怒り、ユーモアと皮肉を交えて綴るエンターテインメント・ドキュメンタリーエッセイ。




