雨が降ったら作業は中止

作業は3人一組で公園内を回る。勝又さん以外の2人は80代だ。3人で回るのは、誰かが暑さや寒さで倒れた場合、一緒にいる人が気づいて事務所に連絡し、救急車を呼べるようにとの配慮からである。

熊手や竹ぼうきを使って落ち葉を集め、大型のビニール袋に入れて所定の場所に運ぶ。区民のマナーが良いため、公園内は紙くずなどのゴミは落ちていないし、犬のフンも見当たらない。

(写真提供:Photo AC)

トイレの掃除は専門の作業員がいるので、勝俣さんたちが行う必要はない。天気の良い日は作業時間内に軍手や熊手、竹ぼうきなどを洗う。

天気予報などでその日の天候が雨だとわかっているときは、当日の早朝、班長から「今日は休み」との連絡が来る。その場合は給料は出ないが、作業中に雨が降り始めたときは午後4時まで事務所に待機すれば1日分の日当が支給される。原則的に雨が降ったら作業は中止。雨合羽を着て働くことはない。

「シルバー人材は、自治体が年寄りを健康にするために実施している。言わばボケ防止の福祉事業みたいなものです。猛暑の日は『無理をしないで、疲れたら事務所で休んでください』と言われます」

これでは働いているのか、行政に労ってもらっているのかわからない。とにかく高齢者に優しい仕事なのだ。

「万歩計を身につけて働いています。公園内をあちこち移動するため、1日に歩くのは平均1万3000歩。最初は腕や足腰が筋肉痛になったけど今は体が慣れた。健康のために働いてお金ももらえるのだから、ありがたい仕事です」

勝俣さんは満足そうに言う。

作業着は区が上下のユニフォームを無料で貸与してくれる。シャツや防寒ズボンもタダだ。靴は自分持ちのため、勝又さんは靴屋で3000円のスニーカーを買ってきた。

「3000円で済むので、元手のかからないバイトですよ」