
恋する胸にストレートに投げ込まれる歌
何故僕があなたばっかり好きなのか今ならわかる生きたいからだ 早坂 類
これはこれはお嬢様、なんと打ちひしがれておいでで……。こんなフラジャイルなお嬢様は今まで見たこともありません。いつも仕事にキャリアに豪速球、趣味も満喫、彼氏何それ美味しいの? というばかりにお一人さまライフを送っていたお嬢様が、スマホのLINE画面の前で固まっておいでです。センシティブなことですがこのお相手は……なぬなぬ、お嬢様の片思いのお相手? 引く手数多のお嬢様が……今更片思いでございますか?
その相手は……なんと友達と一緒に行ったライブの貧乏バンドマン?! 仕事先で知り合ってあれだけアプローチをかけてきたハイスペックマンも置いといて、バンドマンに夢中……! いったいわたくしめはどうすればいいのでしょう? 目を覚ませと言いたい所存でございます。しかし……しかし……それでも思うのはお嬢様がそのバンドの曲を聞いているときの目の輝きのなんとピュアなこと! まさにお嬢様の第二の青春! お仕事でも普段のラブアフェアでの責任感、重圧、背負うように持っている自己肯定感、それが全て剝がれ落ち、生きることへの純粋な感情が溢れ出て、まるで少女のよう。社会に揉まれている強いお嬢様も大変魅力的ですが、この、恋に心から身を投じるお嬢様もなんとすてきなことでございましょう。
そんなお嬢様に早坂類さまのこのピュアなお歌のお振舞いです。
まるで書くというより喉からこぼれ落ちたような歌声のような歌。そして、説明のいらない直球の言葉は、恋するお嬢様方の胸にストレートに投げ込まれるのではないでしょうか。「あなたばっかり好き」なのは「生きたいから」。理屈で説明できないこの心の衝動を、青春時代、あるいは今感じてらっしゃるお嬢様方は多くございましょう。好きで好きで仕方ないのは、あなたが私の生そのものだから。この狂おしくも苦しい、かつピュアな思いは、恋愛の真骨頂と呼んでも差し支えないでしょう。
