イラスト:若林夏
心身の衰えや認知症、介護にお墓…年齢を重ねると直面するさまざまな問題に対して、私たちはどのように考え生きていけばいいのでしょうか。今回は、エッセイストで作家の阿川佐和子さんと詩人の伊藤比呂美さんによる対談を、共著『サワコと比呂美 女じまい』から一部抜粋してお届け。「歳をとるって面白い!」と思える「女じまいの物語」をご紹介します。

肉食系、今は昔

阿川 私は父譲りなのか、美味しいものへの執着があるんですね。贅沢したいというのじゃなくて、「ああ美味しいご飯だわ」って味わいたいの。昔はどちらかというと肉食系でお酒もけっこうたっぷり飲んでたんですが(笑)、若い頃のようにステーキがどーん、ていうのは、つらくなってきた。あと、酒量も減りました。

伊藤 私はもともと、そんなに飲めない。そもそも、酔っ払いって大嫌いだしね。ひとり暮らしで料理もほとんどしません。犬たち用の鶏肉をまとめてローストするくらい。

阿川 私、料理はしますよ。今日も夜ご飯に何作ろうか、考えながら帰ります。それも楽しみだし、だから、からだが元気なうちに高齢者施設に入って、三食用意されるような生活をするのはどうもねぇ。自分で食べたいものを作りたいから。

伊藤 まだ食べることは問題ないの。

阿川 歯はちゃんと全部、自分の歯です。歯医者さんには、いくつかの歯にひびが入ってるって言われてますけど、でもねえ、70年も酷使してるんだから、そんなもんでしょう。