鈍感になればいい
阿川 ブラだけでなく、Tシャツじまいも。黒シャツと白シャツだけか。でも夏はどうするんですか。シャツ一枚だと外に響かないの? あの、先っぽが。
伊藤 それがですよ。中にカップのないキャミソールを着て……。
阿川 あ、キャミソールは着るんだ。
伊藤 着ます。いちおう、べろんと垂れないように。その上に薄手の白いシャツで、大教室の学生相手に講義したとき、誰にもなーんにも言われなかった。
阿川 視線とかも感じなかった?
伊藤 鈍感になればいいの。こちらの脳裏をかすめる不安ほどには、人は他人を見ていない。ヨシッ、これで楽になったと思いました。思い返しても、スポーツブラに締め付けられてた年月は暑かった。
阿川 鈍感力はたしかに大事ね、うん。ブラと鈍感力、という話では、かつては3週間もブラジャーを洗わない不届き者と呼ばれた私ですから大きなことは言えないけれど、まだ、ブラを頼りにしてるところもあるかなあ。これを取り去ってしまったら、チチ下の肉とチチ肉の差別化ができなくなるのではという不安が……。機能に頼ってる。
伊藤 ズンバのクラスではさすがに、スポブラはしますよ。みんなブラと下はスパッツだけで動くから、やっぱり上は要るんですよ。
阿川 ブラの上になにも着ないの。
伊藤 そう、みんな脱いじゃうの。ズンバの先生が、骨と筋肉の動かし方を見たいから脱げるなら脱いでねと言うし。そういう実用一点張りのスポブラと、ワイヤーの機能しているブラを比較してはいけなかった……スイマセン。
※本稿は、『サワコと比呂美 女じまい』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『サワコと比呂美 女じまい』(著:阿川佐和子、伊藤比呂美/中央公論新社)
大まじめに非常識、70'sふたりの女がたりの結論は「歳をとるって面白い!」
親・夫・親友――大切な人との別れは、こうして生きる力になった。






