イラスト:柿崎こうこ
自律神経の乱れは、免疫力に最も影響します。その2つの関係を研究している小林弘幸先生は、日々の暮らしでどのような対策をとっているのでしょうか(構成=島田ゆかり イラスト=柿崎こうこ)

【食のルール】
腸内環境を意識しつつ腹七分目に

食事は1日3食きっちり摂ります。朝食は、和食と洋食どちらの場合もあり、和食のときはごはんに味噌汁、納豆、揚げ出し豆腐、海苔など、いわゆる旅館の朝食のようなメニューです。洋食の日は、サラダ、ヨーグルト、フルーツ、カフェオレに、チーズとハムをはさんだパン。日によって若干変わりますが、大体このようなメニューを食べています。

いずれの場合も、納豆や漬け物、ヨーグルトなどの発酵食品と、食物繊維の豊富な野菜をたっぷり摂るのがルール。免疫機能の約7割を司っている腸内環境を整えるには、この2つが欠かせません。

朝食を摂らない人もいるようですが、それは絶対NG。朝食を摂ると体内時計のリズムが整い、血圧や体温調節、睡眠と覚醒、ホルモン分泌が促されて、免疫力の維持にもつながるからです。

昼食は、大学の学食で定食やカレーを食べています。ただし、腹七分目。腸にストレスをかけないためには、満腹にしないことが大事です。

会食が入ることが多い夜は、腹七分目と21時以降は食べないということだけを意識しています。「外食が多いから節制ができない」という人も多いようですが、それは間違い。夜がダメなら、朝と昼で調整すればいいのです。

ちなみに、厚生労働省が策定している成人男性の食物繊維の摂取目標量は、1日20g以上(成人女性は1日18g以上)。私のように意識していても、食事から摂れる量は1日8~10g程度です。

そこで、「ファイバープロ」という天然由来の食物繊維サプリを1日2本、コーヒーなどに入れて飲んでいます。これで12g程度補える。あわせて「ビビオ」という乳酸菌サプリメントも活用。乳酸菌には優れた整腸作用があり、免疫力を増強することがわかっていますから意識的に摂っています。

間食はヨーグルトやナッツなどを少しだけ。ヨーグルトはいろいろな種類を日によって替えて食べています。多様な菌を摂ることは、腸内環境を整えるために欠かせません。ケーキなどの甘い物は好きですが、糖質はできるだけ控えるのが鉄則です。

最後にお酒ですが、1日に赤ワイン2杯まで。ビールや白ワイン、シャンパンは基本的に飲みません。赤ワインに含まれるポリフェノールは、抗酸化作用があるだけでなく、免疫機能を調整する作用もあるのです。

家では1週間にボトルを1本空ける程度。会食のときでも、私は最初から赤ワインです。ほかに飲むなら、焼酎かウイスキーを少々。アルコールには強いほうですが、やはり健康を考えて、量を決め、質を見極めています。