家族観に影響した子どもの頃の本
三宅さんご自身は、家族観などについて、子どもの頃に人生で初めて読んだ漫画『ママレード・ボーイ』(吉住渉著)から影響を受けた、とおっしゃっていますね。
――当時の漫画やアニメは、今振り返っても先進的というか、家族の多様なあり方とか平等な男女関係とかが、しっかり描かれていたんですよ。それが物語の原体験だったのは、私にとって大きかったと思います。
そうしたこともあって、私も今の時代の母娘関係というものには興味を持っていて、『娘が母を殺すには?』という本も書きました。瀬尾さんや町田さんも、今回の作品だけでなく、ずっとそのあたりを1つのテーマとして、追いかけていらっしゃいます。なので、著作が出るたびに、私も読者の1人として、いっしょに共感したり、深く考えさせられたりしながら読んでいるんですよ。
最初に読者層についてのご指摘がありましたが、本を出す側からすると、40代~50代くらいの女性に支持される作品は、男性読者がメインのものに比べて、ロングセラーになる傾向が強いと感じます。何か理由があるのでしょうか?
――そうですね。答えになっているかどうかはわかりませんが、女性は「本屋大賞取ったあの本、面白かったよ」「そう。じゃあ読んでみる」みたいな話を、知り合い同士でよくするのかもしれない、と思います。お茶したりごはんを食べたりする時、読んだ小説の感想を語り合う機会が、男性より女性の方が多いのでは。そのようにして、時間をかけてじわじわ読者が広がっていくというのは、あるかもしれません。
やっぱり口コミは最強の宣伝だと思います。そこで話題になるのは、ひとことで言えば「読後感のいい小説」ですね。内容がどんなに重かったり暗かったりしても、読んだ後に納得できるというか、読んでよかったと思える本は、人に勧めたくなりますよね。