「中学時代に恩田陸さんの著作に出会って、大きな影響を受けました」

AIにはない解決策を秘めた本の魅力

書評などの形で本に関する発信をされていますが、あらためてそこに込めた思いを聞かせてください。

――多くの方にとって、小説などの文芸作品は、楽しむために読むもの。その水先案内ができれば、と思っています。

同時に、さきほども言いましたけど、人といてもしんどいとか、自分のことをわかってもらえそうもないとかいうことが、誰にでもあると思うのです。でも、本の中ならば、「これは自分のことを言っているんだ」という言葉に、けっこう出会えるんですね。

例えば、AIは褒めてくれたり、決まった答えを出したりはしてはくれますけど、一緒に苦しんではくれませんよね。本の中には、苦しみを描いた先に、思ってもみなかった解決策が秘められていたりもする。本と対話することで、まったく見えていなかったものが目に入るかもしれません。それが読書のいいところ、醍醐味だと、私は思っています。

 

なかなか読書の時間がつくれない、という人にひとこと。

――「隙間時間」に、気軽にページを開けるのも、本ならではないでしょうか。同じエンタメでも、映画は映画館まで足を運ぶ必要がありますけど、小説なら人を待つ間でも電車の座席でも、1人の時間に浸ることができます。

まずはカバンに1冊の本を忍ばせる。身近なところに小説を置く。そんな習慣をつけるところから始めてはいかがでしょうか。本屋大賞のような賞を取ったり、そこにノミネートされたりした作品から読み始めるのも、おすすめです。

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