先が見えない暗闇を歩いていくために
ペットロスは、経験した者にしかわからないとてもつらい出来事です。いつまで続くのかわからない、深い悲しみと漠然とした不安の中で毎日を過ごします。
「もっと幸せにできたのではないか」「亡くなるときに苦しくなかったのか」
――答えを聞きたくても大切なあの子は目の前にいない。自分の頭の中にだけ答えを探し求め、答えの出ない問いに苦しみます。
悲しみだけでなく罪悪感などにのたうちまわり、苦しみから抜けたいのに抜けられず、先が見えない暗闇の中に取り残されます。
そんな飼い主さんに、私はまずこう伝えたいのです。
「元気にならなくていい」「立ち直らなくていい」 と。
ペットロスのままでいいのです。一生ペットロスかもしれないけれど、少しでも心が軽くなればそれで十分なのです。
人が深い悲しみを受け入れていく過程について、教育学者のエリカ・シューハルトは「心は一直線には回復しない」と唱えています。らせん状に上下したり、行ったり戻ったりを繰り返しながら進んでいくのが自然な姿だそうです。