喧嘩は、ほとんどしたことがありません。お互い長く生きてきて、それなりに知恵があるから、これを言ったら喧嘩になるとわかるんです。たまに納得できないことで熱くなってしまうと、上手にかわして話題を変える。すると私はさっきまでのことを、すっかり忘れてしまいます。
結婚した翌年にバッシングを受けた時、笑福亭鶴瓶さんが「幸ちゃん、こういうことがあると夫婦の絆は強くなるよね」と言ってくださいましたが、本当にその通り。夫婦というより同志という感じかもしれません。
これから先のことは、まったくの白紙
今年は1月に55周年記念コンサートがスタートし、この先、アルバムも発売されます。55年も続けてくるとまわりから“大御所”と言われることもありますが、それも思い込み。私はデビューした頃と、まったく変わっていません。
何年やってきたとか、こういう賞をいただいたというのは、あくまで結果であって、すでに過去のことです。これから先のことは、まったくの白紙。そちらを面白がったほうが、いいと思うんです。
「どこに向かっているんですか?」ともよく聞かれますが、別にどことは決めていません。今までもそうだったように、会った人によって、道は変わっていきます。そのためには、アンテナを張りめぐらしていたいと思っています。
もちろんこれから先も演歌は歌っていきますし、ジャズやシャンソンも、ボカロ曲も歌っていくつもりです。どんなジャンルであれ、素敵な曲は素敵。音楽に境界はないと思っています。そんなわけで、今年も新しいことにどんどんチャレンジしながら、記念の年を全力疾走したいと思っています。