涙の記者会見で批判を受けて

夫との件が発覚してすぐ、橋田ママ(脚本家・橋田壽賀子さん)には電話でどうしようかと相談して、「迷惑かけるし、『鬼(『渡る世間は鬼ばかり』)』は降りる」と伝えた。そしたら「ダメだ」って言われたのよ。

「お前が悪いことしたわけじゃないだろ」って。そして「泣け」「嘘でもいいから泣け」って指示されたの。

『ピン!として逝くのもいいじゃない ピン子78歳、最後に残したい言葉』(著:泉ピン子/徳間書店)

あんたは夫からのラブレターをたくさんもらってたんだから、会見にそれを持って行って泣けば同情が集まるってね。

当時は赤坂のマンションに住んでいて、TBSで会見をすることになった。記者たちに会わないように地下からテレビ局に向かうと幹部たちがやってきて、彼らが涙ぐんで私を見てたの。

「私ってそんなに可哀想なの?」と、つらくなった。

いざ会見を開いて、泣けと言われたことを思い出して途中で泣いたら本気で涙が出てきてさ。そしたら同情が集まるどころかまったく逆よ、泣きすぎだってバッシング。あんまりでしょ!

ママ、三流作家じゃないの! と心の中で恨んだわ(笑)。

でも泣かなかったところでどうせ「しぶとい女だ」とか言われるだろうし、じゃあどうすりゃいいのよって感じよね。

会見では、当時のスクープやらを担当していた記者が、「なんで子どもを産まなかったんですか?」と質問してきた。それはさ……言葉が詰まったわ。

今なら記者が袋だたきにされるような発言よね。子どもは欲しかったけど、しょうがないじゃない。それを聞いてなんになるの?