祖父・緒形拳が夢に現れて

幼い頃は、父(緒形直人さん)の部屋に行くといつも台本を読んでいて、役者という仕事が当たり前にある家庭で育ったので、芸能界をどこか身近な世界として感じていました。

また、華やかでかっこいいものだという憧れもありましたね。

「信澄という大きな役をいただき、一つの目標が叶った思いです」

一方で、僕は芸術系のことに興味があり、アメリカの高校を卒業後はニューヨークでファッション系の大学に進学する予定だったのです。

入学前の夏休みの3ヵ月間は、フランス・パリで、デザイナー志望の高校生が集まるサマースクール(短期集中講座)に参加し、ファッションデザインを学んでいました。そのスケジュールの最終日に、ある夢を見たのです。

祖父(緒形拳さん)が夢に出てきました。僕はそれまで俳優になるなんて考えたこともなければ、口にしたこともなかったのですが、夢の中で祖父に「デザイナーになるのと俳優になるのとでは、どちらがいいと思う?」と相談していたのです。

すると祖父は、ただニコッと笑うだけで、そのまま立ち去っていって…。そこで目が覚めたんです。