未来を見つめて自分を励ます
治療に入ったばかりの頃、担当医の先生に「私は1年後生きていますか?」と聞いたことがありました。先生は私の目を見て、「生きているかどうかは神様しかわかりませんよ」と言うのです。「必ず良くなる」「絶対大丈夫」そんな言葉より、私は先生の言葉が心にしっくりきて、なぜか安心することができました。
先生は一方で、「治療についてよく勉強して、よくなるんだと信じてください、意志の力はすごく大きいです」と言いました。合わせて、「この薬は何のために処方されてどういった効果があるのか、今身体で何が起こっているのか、自分でもちゃんと理解して治療に臨んでください」とも。
そこまで患者に求めるお医者さんばかりではないと思います。でも私の場合は、治療や薬について勉強していくことで、辛くても納得して前に進むことができました。そして、どういう治療だったか笑顔を交えて話している自分に会いたい、そんなふうに思い描くことで、気持ちを鼓舞していました。
また、がんを告知された当初から、治った暁には、担当医の先生とトークショーをしよう、保険会社に助けられたから保険会社の人とお仕事をしようと考えていたんです。
私は父を見送った後に、なぜか続け様にがん保険に2つ半入っていました。大きな保険2つと小さな保険1つ。「今加入したら、このぬいぐるみもらえるんだ!じゃあ入ろうかな」というごく軽い気持ちで。それが告知を受けた時点で全部の保険が下りて、とても助かったんです。がんにかかると治療だけじゃなくて、仕事もお休みしないといけないですし、何かとお金がかかります。精神的にも救われたので、がん保険のありがたみを多くの人に伝えたい!と思っていました。
抗がん剤治療が始まったのは2024年7月。それからは、痛々しいと思われるようなこと、体に埋め込む注射のポートや、肺炎で寝込んでいるところ、前髪しか残らなかった頭にターバンを巻いた姿なども公開した。11月には右胸の摘出手術を受け、リンパ節も23個切除。術後の抗がん剤と放射線治療を受け、最後の放射線治療が終わったのは2025年4月11日だ。
治療中の様子を公開したことで離れていった人もいるのかもしれませんが、勇気づけられたと言ってくれた人たちがたくさんいるので、よかったと思っています。実際に今、がん治療について担当医の先生と一緒に登壇することや、保険会社の方と仕事をするという未来予想図を現実のものにすることができました。
私は人生で、何か計画をして、それを思い通りに進められた経験があまりなかったのですが、がんになってからのほうが、計画の実現ができているかもしれません。