将棋を好きな子供が増えている
加藤 これからの将棋界への期待や不安などはどうですか。将棋が好きな子供は増えていて、ぼくも将棋教室で教えているので、子供たちの成長を願っています。子供に教えるときに必ず言っているのは「詰将棋をやってください」ということと、「入門書を読んでほしい」ということ。入門書を読まずにひたすら将棋を指してるだけだったら一年経っても強くならないんです。それは知っておいてほしいですね。
子供だけでなく、いまの若い俊英たちにも競い合いながら大活躍をしていってほしいと願っているのはもちろんです。渡辺さんは、ぼくの将棋をいろいろ研究してくれているそうなので、そういうのを聞くとうれしいですよね。若い棋士はなかなか時間が取れないでしょうけど、ぼくの将棋も研究されるといいかと思います。
ぼくはたくさん勝ちましたが、逆転勝ちは少ないのです。常にいちばん良い手を指す努力をしてきました。ぼくは30歳を過ぎた頃に行き詰まったのですが、それを突破してきました。渡辺さんはその辺のことがわかってらっしゃるはずだし、まだお若いので、これからが全盛期だと思って大いに期待しております。どうぞ意欲的に頑張ってください。
渡辺 ありがとうございます。今日は本当にいろいろと参考になりました。
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