「母親の遺骨が入った墓が、気づいたら道端に移動させられていた」「永代供養できる納骨堂に預けた遺骨の行方がわからなくなった」…。7月15日放送予定の『クローズアップ現代』(NHK総合)では、都会のお墓をめぐって起きている思わぬ事態と、その裏に広がっていた“宗教法人とお金の闇”について特集します。番組の取材班が見た、驚きの現場とは…?
(取材・文『クローズアップ現代』取材班)
(取材・文『クローズアップ現代』取材班)
「納骨堂が取り壊され、遺骨が行方不明になっている」
取材のきっかけは、京都の寺の関係者から聞いたある納骨堂にまつわる噂でした。京都・祇園の一等地に建つ寺の納骨堂が去年、突然更地になったというのです。
一体何が起きているのか?遺骨はどうなったのか?
現地に足を運ぶと、周囲に立派なお寺が建ち並ぶ中で、そこだけぽっかりと空き地になっていました。
納骨堂があった場所 (C)NHK
事情を知る人を探して関係者をたどっていくと、この納骨堂に遺骨を預けていたという男性が見つかりました。
「数年前、身寄りのない知人が亡くなったんで、わしが知っている納骨堂に預けたんですわ。でも、その納骨堂を取り壊すと聞いて、住職に連絡したら、遺骨の一部は自分の家に預かっていると。でもその後、電話も全然つながれへんし。そりゃ怒るわな、安心して預けてんねんから」
知人の遺骨を預けた男性 (C)NHK
住職が姿を消し、納骨堂があった土地は今は不動産会社が管理していることが判明します。取材を進めると、納骨堂の運営に関わったという男性に話を聞くことができました。それまで寺や宗教との関わりはありませんでしたが、「墓じまい」がブームだと聞き、「納骨堂を運営すれば金になる」と考え、納骨堂を6億円で買ったと言います。その後、経営が厳しかったため手放すことになったという納骨堂。登記簿を調べると、転売が繰り返され不動産会社に売却されたことがわかりました。
「預けた遺骨がどこにあるかわからない」という状況は、お金をめぐる思惑や事情が交錯する中で生まれていたのです。