心震える瞬間があって

撮影で太賀君、池松君とお芝居をしていると、心が震える瞬間が何度もありました。そんな時は、豊臣家臣団がうらやましかったです。どんどん呼応して、「秀吉と小一郎だからついていきたい」という気持ちを表現できる。信長の場合は、彼らの言動で自分の琴線に触れることがあったとしても、そうは見せないという選択をしなければいけない時もある。

太賀君と池松君は、いつもピュアでまっすぐ。2人は、「こうなるんじゃないかな」とこちらが想像するお芝居を軽く超えてくるんです。そのおかげでこちらの演技も引っ張ってもらっている場面がたくさんあります。

豊臣秀長を演じる仲野太賀(左)と豊臣秀吉を演じる池松壮亮(『豊臣兄弟!』/(c)NHK)

彼らの真摯な姿勢、物語にまっすぐに向き合っている姿に心を打たれました。演じるということ、芝居をするということについて改めて僕自身が向き合うことができたのは、財産です。

お芝居は共演者に引き出してもらうものが多いんです。目の前にいる俳優さんから受け取るものでしかない。もし、今回の信長が魅力的に映っているとしたら、それは、僕の芝居を引き出してくれる俳優さんが多かったということです。