「情報の洪水」に溺れて、選ぶことから逃げてしまう心理
現代社会は情報にあふれており、その量がストレスを作るとも言われていますが、実際に検索が引き起こす情報量からのストレスは介護・看護の現場でも良く見受けられます。例えば治療方針を決めるまでに、先回りして薬の効き方や治療法について検索を繰り返し、情報がぐちゃぐちゃになることはIT社会でも度々問題になっていました。
AIが出て改善したかというと、かえって複雑化したような気がします。どれだけ情報を集めても、自分の中で「気に入らない部分」や「本当に望む選択」が見えていないケースが多いのです。
例えば薬を飲むとしても、朝昼夜飲むか、朝すべて飲むかというのは症状に応じてだけでなく、「その習慣を自分がもてるか?」「自分はどっちが楽か」という自分側の気持ちや状況によって変わりますよね。
プロの医師や専門家であっても、「これにしなさい」と強制はできません。患者ファーストの考え方がありますので、逆にいえば、患者さん側が提示されたA案、B案、C案の中で、提示された情報をもとに、「あなたのQOL(生活の質)を上げるのはどれですか?」という問いかけに対して、自分で「決めなきゃ」ならないのです。
ところが、その決断が自分でつけられなくて、情報を更に更にと取り込んで自暴自棄になってしまうケースはよくあります。
ここで大切なのは「ゴールを設定すること」です。
例えば、体の不調や心の不調であれば、答えの出ない質問をする前に「専門家にかかる」手があります。多くの場合は、まずは専門(体の不調なら不調を訴える場所)+医者で、場所=施設を探すでしょう。
ただこれが決まった段階でさえも、自分が探しているのが「何か症状の専門性が高いところ」なのか、「場所が近いところ」なのか?選択肢が残ります。
この決定については、自分で行うほかありません。
もっと言えば最初の段階で「専門性の高い先生のいる病院を探して行く」や、「一番近くの病院で、自分の症状を見てもらえそうなところを探して行く」というゴール設定をする必要があります。そうしないと、調べてみた結果、「よく分からないから先延ばしでいいか」で終わってしまいかねません。これでは、元々持っていた不調への不安・心配は解決しないままです。
逆にいうと、「検索してもいいけれど、委ねない」「自分で決めて、〇〇というアクションをする」までが、ゴールまでのワンセットなのです。
