当主の《想い》を守りたい
一睡もできないまま叔父を看取ったあと、病院の方に葬儀会社を紹介していただき、すぐに葬儀の準備に取りかかりました。また、父をはじめ近しい親族に連絡を入れ、何とか葬儀の形を整え、近親者のみの小さな葬儀を執り行いました。
しかしながら、「あの慶朝の看病を何の目的もなく、していたなんて」という風に、叔父と私の信頼関係が理解できない人もいたように感じました。
父もそうですが、親族には、アンクルのことを良く思ってない人が多いです。確かに、勉強は不得手で、マイペースだし、ちょっと独特なところもありましたが、「徳川はこうあるべき」という姿を、親族が押しつけ過ぎていたのではないかと思うことがたくさんありました。
叔父からしてみれば、自分の価値観や考えを認めてもらえないように感じていたと思います。
私の父と叔父との関係も良かったとは言えません。父からすれば叔父は義理の弟となりますが、当主であるアンクルを軽んじているようなところがありました。アンクルの方も「美喜ちゃんのパパ、最悪だよ」などと口にすることもあり、お互いに良い感情は持っていなかったと思います。
アンクルと父は価値観が全く違っていたので、正式に祭祀承継者を受け継ぐまでの8年間は、アンクルの遺志を継いだ私と父で、代理戦争をしていたようでもありました。