赤痢感染拡大をきっかけに

『風、薫る』場面写真
(『風、薫る』/(c)NHK)

<寮の舎監となったりんのもとに、帝都医大病院時代に一緒に働いた医師・黒川(平埜生成)がやってくる。黒川の実家である新潟の病院で看護婦として働いてほしいという黒川の誘いを断るりん。しかし、近くの村で赤痢の感染拡大が起き、りんは看護婦として直美とともに対応にあたることに――>

看護の世界から離れていたりんが、「自分の手で誰かを救いたい」と改めて自覚するのが大きなテーマでした。患者さんに触れると手が震えたり、過呼吸になってしまったりといった場面を演じてきたので、実際に目の前に困っている人がいても、自分に何かできるのだろうかという葛藤は、お芝居をする上でもありました。

りんは、父親がコレラに感染して亡くなった時に、何もできなかったことが心の中でずっとひっかかっていました。トレインドナースとなり、正しい知識を身に付けて看護の技術を学んだりんが、父を失ったコレラの状況と重なるような赤痢の感染拡大に立ち向かった。

後悔を手放せたわけではないけれど、赤痢の感染が拡大する中で、いろいろな人を救えたことは、りんが前に進む原動力になったと感じています。