イラスト:おおの麻里

「うまみ」を引き出して調味料は最低限

ヘルシー食である和食の難点は塩分が高いこと。例えば、醤油の塩分相当量は大さじ1杯でおよそ2.6g、味噌はおよそ2.2g。

「認知症の発症リスクを抑える観点から見れば、塩分は1日6gを限度にしたいところです。減塩のポイントは、塩分量の多い調味料をきちんと計測して使いすぎを防ぐこと。また、だしで食材のうまみを引き出すと無理なく減塩ができます」

そこで、塩分含有量が少ない鰹節を使った「だし汁」と、だし汁に少量の調味料を加えた「八方だし」を活用しましょう。味噌汁などはもちろん、食材の下味付けにもおすすめ。

だし汁1と八方だし2の合わせ汁に食材をつけたり、合わせ汁で下茹でしたりしてから調理すると、調味料が少なくてもおいしく仕上げることができます。

【だしの取り方】

●材料(作りやすい分量)
 鰹節(削り節)…30g
 水…1.8L

1) 水を沸騰させ、火を止めてから鰹節を加える。
2) ひと煮立ちさせ、鰹節が沈んだら火を止めて30秒おく。
3) キッチンペーパーなどを敷いたざるでこし、鰹節を軽く絞る。
【八方だしの作り方】

●材料(作りやすい分量)
 だし汁…1.3L
 砂糖…30g
 塩…6g(小さじ1)
 薄口醤油(素材の色合いを生かすため薄口を使用)…1/4カップ

1) だし汁を鍋に入れ、砂糖、塩、薄口醤油を加えて混ぜる。
2) 火にかけ、ひと煮立ちしたら、すぐ火を止める。

※国立循環器病研究センター「かるしおレシピ」参照。
だし、八方だしは密閉容器に入れて冷蔵庫で2日ほど保存可能