舞台、映画、ドラマにと幅広く活躍中のミュージカル俳優・市村正親さん。私生活では2人の息子の父親でもある市村さんが、日々感じていることや思い出を綴る、『婦人公論』の連載「市村正親のライフ・イズ・ビューティフル!」。第23回は「新作は子どもが生まれるようなもの」。本日9月24日千秋楽の『シークレットステージ』について――。(構成:大内弓子 撮影:小林ばく)
どんな花が咲くのだろうか
9月に出演する『シークレットステージ』は、舞台芸術学院の後輩である渡辺えりさんが脚本・演出もする舞台です。えりさんとはお互い、いつか一緒にやれたらいいなと思っていたから、本当に長年の夢がようやく叶います。
えりさんが言うには、初めて会ったのは52年前。劇団四季の稽古場があった参宮橋の喫茶店にいた僕を偶然見つけ、自分の芝居のチラシを渡して、僕がそれを観に行ったみたいなの。その頃忙しすぎて覚えてなくて、申し訳ないんだけど。(笑)
でもその後、えりさんが劇団を立ち上げたのは知っていたし、僕が仲良くしていた(十八世中村)勘三郎と一緒に舞台をやったり、歌舞伎の脚本を書いたりして、エネルギッシュに活動しているのも見ていた。
劇団の芝居を観に行ったこともあって、彼女のほうも僕の芝居を観に来てくれていたからね。お互いにどういう舞台人であるかはわかっている。
端的に言えば、大の芝居好き、芝居狂いだよ。そういう者同士が出会って一緒に芝居を作ると、どういう火花が散り、どんな花が咲くのか。楽しみで仕方がないんです。