腎臓の新常識 腎臓が悪い人ほど積極的に歩くべし
生活習慣病の予防・改善効果も
ひと昔前まで、腎臓病を患った人は「自宅で静養してあまり出歩かないでくださいね」とアドバイスされるのが一般的でした。しかし、運動が腎機能に良好な効果をもたらすことがわかった今、理想とされる日常の過ごし方はガラリと変わっています。腎臓が悪い人ほど、どんどん歩くべきなのです。
運動を通して腎機能を改善するには、有酸素運動が必要不可欠です。そのなかでもウォーキングは効果が高く、腎臓リハビリテーションでも主役のような存在になっています。スタスタ歩くという動作は非常にシンプルですが、得られる効果は実に多彩です。血流の改善などを通して、腎臓病はもちろんのこと、腎機能を悪化させる糖尿病や高血圧、脂質異常症の予防・改善にも役立ちます。
効果を得るために必要な歩数も、意外と多くはありません。私は、急性心筋梗塞を経験した患者さん41人を対象として、運動量と腎機能の変化の関係性を調べたことがあります。その結果、1日に4113歩以上歩いた患者さんは、歩数の増加にともなってeGFRの数値が改善する傾向が見られました。1日1万歩の半分に満たない歩数でも、効果は得ることができるのです。