クマを理解するための糸口

私はクマを山野に追う生活のなかで、なにがクマを理解するための糸口になるかを考えた。そして結論として出たのが、まずはクマの食べ物を知ることだった。

クマは本当にいろいろなものを食べる。本来のクマの食性を知れば、彼らが利用する自然環境の理解にもつながり、人間との軋轢の原因も分析でき、それは対策を探るための礎にもなるはずだ。

『日本のクマを追う 激動の自然環境を生きる、ヒグマとツキノワグマ』(著:二神慎之介/山と溪谷社)

ここで、私が実際に見てきたヒグマとツキノワグマの食性を、クマや食痕の写真とともに解説したい。

なお、ヒグマとツキノワグマのどちらかしか食べないものは非常にまれだと考えられるが、個人的な経験からいずれかでしか確認できていないものは、(ヒグマの場合)(ツキノワグマの場合)と表記した。これは他方が食べないことを意味するわけではない。