世話をしている間に情がわいた父と姪は、回復した鳩と別れがたい様子…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは福岡県の50代の方からのお便り。ある日、駐車場に鳩が迷い込んできて――。
迷い込んできた鳩
ある日、私が帰宅すると、85歳の父が「実は鳩が……」と深刻な面持ちで切り出してきました。鳩が関係するいったいどんな事件があったのか聞いてみたら、「ここにいるんよ」とのこと。
話によれば、わが家の駐車場の隅に黒っぽい生き物を見つけた中2の姪が、「じじ、なんかおるよ!」と父に報告。あらためて2人で見てみると、それが鳩だったらしいのです。
首をすくめ、うずくまったまま動かなくなっていたので、「近所の野良猫やカラスにいじめられてはいけない」と案じた父が、段ボール箱に入れ、家まで連れて帰ってきたと言います。水や米を与えると、少ししっかりしてきたようで、私が鳩と対面した時点では《ちょっと元気がない》程度まで回復していました。
明るいところで箱から出してみると、足環が。「これはレース鳩やね」と私が言うと、姪が「レース鳩っち、何?」とたずねてくる。なるほど、伝書鳩もレース鳩も、今時の子には未知のことなのだな、と時代の変化を感じました。
足環のついた鳩が迷い込んだ際の対応を調べてみれば、日本鳩レース協会のホームページに、「記号や番号を確認したうえで協会まで連絡を」といった記載が。そこでさっそく電話してみると、はたして連絡がついた飼い主の方は「それはお世話になりました。自分で帰ってくると思いますので、元気になったら飛ばしてください」とのこと。