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考察ものからラブサスペンス、じっくり楽しめる会話劇まで2026年はドラマが豊作。各メディアで数多くのコラムを書いているドラマラヴァーでコラムニストの小林久乃さん、10年以上地上波ドラマをすべて録画している元JJ編集長のイマイズミさんは毎月「JJ」サイト上でドラマについて語り合っています。今回はそんな2人をお招きして、婦人公論.jpとのコラボ企画。ドラマ好きの婦人公論.jp編集長の川口由貴も参加し、2026年のドラマを振り返りました。まず前編では、上半期のドラマについて語り尽くします。

ドラマ好き3人が選んだ2026年のドラマ5選は…

まずは、それぞれが選んだ2026年のドラマ5選を紹介します。(2026年8月26日収録)

【元JJ編集長 イマイズミ】
・『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系)
・『Tシャツが乾くまで』(TBSテレビ系)
・『テミスの不確かな法廷』(NHK)
・『刑事、ふりだしに戻る』(テレビ東京系)
・『VIVANT』(TBSテレビ系)

【コラムニスト 小林久乃】
・『銀河の一票』(関西テレビ、フジテレビ系)
・『エラー』(朝日放送テレビ)
・『Tシャツが乾くまで』(TBSテレビ系)
・『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系)
・『告白-25年目の秘密-』(日本テレビ系)

【婦人公論.jp編集長 川口由貴】
・『テミスの不確かな法廷』(NHK)
・『田鎖ブラザーズ』(TBSテレビ系)
・『リーガルビート-逆転の法廷-』(テレビ東京系)
・『さよならノワール』(フジテレビ系)
・『告白-25年目の秘密-』(日本テレビ系)

役者の力を感じた『冬のなんかさ、春のなんかね』

<『冬のなんかさ、春のなんかね』は、主演が杉咲花、脚本・監督が今泉力哉。杉咲演じる土田文菜は、彼氏はいるけれどあいまいな関係の男友達もいる。過去の恋愛体験が影響して、きちんと人を好きになることを避けてしまう女性。恋人がいるのに、別の男性とホテルに行くなど奔放に見られる行動が賛否を呼んだ>

川口:まずはイマイズミさんは『冬のなんかさ、春のなんかね』を挙げてますね。

イマイズミ:冬ドラマといえば、これ。展開がゆっくりで丁寧。今泉力哉監督の作家性がすごく出た作品。新しさはすごく感じました。

川口:役者の力を感じた作品ですね。

イマイズミ:カメラが動かない状態だから、役者の力量がないと観ていられない。独特のタッチでしたね。

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小林:放送中「彼氏がいるのに違う男と会うなんて」という、意見が結構ありましたよね。でも私はちょっと違っていて。モテる女って現代でいうと韓国メイクで、色白で、髪を巻いて……みたいなイメージが一般的かもしれませんが、主人公の土田文菜こそ、本当にモテる女ではないかなと。自分の好きなコーディネートで、ほぼスッピンで、他人に振り回されない好きなものがあって、その隙間で男性に寄り添って。

イマイズミ:でも文菜は、モテているけれど、結局ほとんど振られているんですよ。しかも、別れの時には割とひどいことを言われている。(美容師で彼氏の)佐伯ゆきお(成田凌)には「知らね~」「マジでどうでもいい」とか言われていますからね。

川口:文菜の相手、あの作家の先輩の人には忘れらない恋人がいたけど、どうも亡くなってるっぽいんですよね。

小林:そうです、そうです。

イマイズミ:山田(内堀太郎)ですね。

川口:なのであとは別に恋愛しても、社会的に問題は…。

小林:ございません。でも雨の中で告白をするとか、恋敵と取り合うとか、劇的なラブストーリーではないですよね。

イマイズミ:ゼロ。

小林:ちゃんと別れないで、なんか知らない間にまた付き合ってて…みたいなのがすごい令和っぽい。

川口:女の子って文菜みたいになりたいと思うんですかね。

小林:私はなりたいですけど。

川口:シチュエーションとして?

イマイズミ:次から次へ、一人の男性にとどまれないみたいな?

小林:自分が20代だったらやっていたと思います。でも今はそこまでの体力がないんですよね。

川口:あの感じだと別に体力は必要なさそうでは?

イマイズミ:あの温度感は疲れない。

小林:もうひとりで、仕事をして生活していくだけで精一杯です(笑)。そこに恋愛すったんもんだのコンテンツが入る余地ありません。

イマイズミ:でも、文菜は早瀬小太郎(岡山天音)からずっと支えられてる。文菜があんなに奔放にできるのは、早瀬が支えてるからじゃないかと。

小林:もう恋人、友だち、家族を超えた存在で文菜に近いのでは?

イマイズミ:近いですよ。だってホテル行って何もしないんですよ。

小林:でも文菜を大好きな早瀬が、彼女とホテルに行ったり、ブランコで遊んだりできるからちょっと観ているほうも救われる気持ちになるというか。(笑)

川口:めちゃくちゃイケメンじゃないんだけど、魅力としてはあの兄弟と近いです。安藤サクラさんのご主人の…。

イマイズミ:柄本佑さんと時生さんみたいな。

小林:スタイリスト・杉本学子(のりこ)さんのコーディネートも、視聴者の間で話題になりました。

川口:古着屋勤めだったからか文菜はゆったりした服。古着のシャツや大きめのダウンをダボッと着ていましたよね。

小林:ボディーラインがふんわりしていて、アースカラーが多かったです。アイテムによってはショップで売り切れたこともあったみたいですよ。

イマイズミ:「下北・古着」感と言えばいいのか。東京ならではのスタイルに感じました。

小林:今までのドラマにはなかったコーディネートとスタイリングなんですよ。文菜みたいなスタイルだと、ボーイッシュにカテゴライズされがちなんですけど、そうならないのは杉咲花さんの雰囲気が良すぎるからでしょうね。

イマイズミ:文菜役の杉咲花さんの顔が小さいから、大きめの服のなかで体が泳いでる感じが出るよね。

小林:私たち、おばさんが着ちゃうとジャストサイズになっちゃうんですけど。(笑)