ヨットという狭い空間で

30年ほど前に、夫の家族とクロアチアの海をヨットでクルーズした時も、ヨットという狭い空間で2週間、朝から晩まで何人もの乗組員と過ごすのは、正直拷問でしかなかった。

しかも途中寄港したハーバーから姑と小姑、その友人夫妻が大型犬付きで乗り込んできた時は、海に飛び込んで逃げ出したい気持ちに何度も駆られた。

宇宙飛行士に相応(ふさわ)しいのは、常に沈着冷静で感情的ではない性格の人間だというが、それは逃げ出すことのできない狭い空間で長い期間何人もの同僚たちと共生するための絶対条件なのであり、海に囲まれたヨットの乗組員にも同じことが求められる。が、我々の船にはそんな様子の人間は一人もいなかった。